懐の深さが将来を決める
役人の懐の深さがその国の将来の発展を決める可能性が高いと思ってます。
例えば…新しい技術を開発しても実験が出来なければ実用化に持ち込めません。
実用化レベルに達しないと普通の社会での実験が出来ないとしたら…実験のコストが高くなってしまい、結局のところ研究開発のスピードが落ちてしまうでしょう。
ネバダ州の陸運当局がグーグルの開発した自動運転車両の公道での試験運転を許可したということです。
ネバダ州と言えばラスベガスがあります。
ロスアンゼルスからラスベガスまでは片側3車線のハイウエイがあり、2009年にドライブした時には140キロで3車線全部が車が流れているような状況でした。
ちょっと離れるとグランド・キャニオンがあり、荒野の中をまっすぐ道が走っているようなところもあるし、ワインディングロード(山道)もあります。
この州で許可が出た…ということはどんな状況の道でも走ることの出来る車の公道テストが出来るということと同じです。
このニュースで凄いのは…グーグルはカーメーカーではないということ、それに市販の車を改造した車両に対して許可を与えたところにあります。
手放しで運転 グーグル、自動走行車の公道試験
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE2EBE2E39A8DE2EBE2E7E0E2E3E09790E0E2E2E2
(日本経済新聞 Web刊 2012/05/09)
動画を見てみると確かに自動に運転しています。
車は既に旧型となったトヨタのプリウス。
ちゃんと標識や信号も認識しているようです。
日本でも各自動車メーカーがお台場等でカーナビを発展させた形で実証実験を数年前にしていたのはニュースで知っていました。
が…ここまで自動に動いていなかったです。
自動車エンジニアがゴロゴロといる会社ではなくて、インターネット企業がメーカーの市販車を使って自動操縦を行う車を作成したというのは、大きな衝撃でした。
というのも…これなら…あの人工知能を持っているナイト2000も夢じゃないなぁ…と思ったからです。
自動車メーカーは作らないでしょうが、車を買ってきてグーグルの自動操縦の機能を搭載し…それにiPhoneのSiriを更に発展させたような機能を持たせれば…出来てしまうように思ってしまったのです。
ナイト2000…とはナイトライダーというアメリカのテレビシリーズに登場する車です。
ベースになっているのはGMのポンティアック・ファイアーバード・トランザムです。
人工知能が搭載されていて、主人公が何もしなくても自動操縦でどこへでも行ける…ということで車ファンの憧れの車になりました。
この車…中古車をベースに注文生産されます。
株式会社バリューコネクト
http://knight2000.value-cnt.net/index.html
価格は1280万円だそうです。
こういう夢の車も日本で作ることは出来ないのでしょうか…。
中古だと値段が下がっている車をこうやって高く売る…というのは付加価値をつけるということなので…こういうところでも規制が付加価値をつける…つまり国民の富を増やす邪魔をしているように思います。
もし…EVのナイト2000にグーグルの自動操縦が組み込まれたら…と思うと夢があるじゃないですか!
お金が有り余るほどあったら…そういう車…オーダーしちゃうかも…。
夢は経済成長の大きな源泉です。
それを良く理解している規制機関か…単なるお役所かでその国の将来が今後はコレまで以上に大きく左右されそうな気がします。
EVの効率
良く…EVはとても効率が良い…と言われます。
それは計算の前提が、火力発電所や原子力発電所での発電効率が良いから…ということになっています。
しかし…今回の震災で明らかになったように、最低でも10%位…多いときは20~30%余分に発電しています。 その余剰の発電した電力はどうなるのでしょうか…。
現在のところ大容量の蓄電設備は実用化されていません。 超伝導がそのひとつの可能性ですが…実用化はまだまだ先のようです。
ということは、良く発電効率の計算に用いられる発電所の発電効率は20~30%程度割り引いて考える必要があるようです。 そうするとどうなるでしょう。
な…なんと…普通のガソリン自動車の方がEVよりもエコな車になってしまいます。 ハイブリッドだとEVよりも環境に優しいかもしれません。
計算通りに大型発電所の効率を享受するためには、大規模蓄電池がないと無理みたいです。 そういう施設が実用化されるまでは、オンデマンドで発電できる、HVが良さそうです。
余っている電力を利用するということを考えると、プラグインHVで夜間充電、もしくは太陽電池発電で昼間充電を行うのが現在のところは一番環境に優しいように思うのです。
EVのエネルギー効率を考えるときには発電所の効率、送電ロスの他にどの程度の余剰電気をつくって供給しているか…というところも考えなければいけないですね。
これからは大規模発電所ではなくて、オンデマンドでその場で発電…という技術が更に進む可能性もあります。 もちろん…その流れをリードするのはハイブリッド車になると考えています。